金融ADRの活用と利点と難点

 

(1)ADRとは何か?


ADRとは「裁判外紛争解決手続」のことをいいます。一般に裁判は、紛争の当事者が、証拠を出し、証人尋問をして、裁判所がそれを見て、当事者のうちどちらの言っていることが正しいか確定する手続きなので、時間と労力がかかります。

 

裁判を始めてから終わるまで、2,3年かかることも珍しくありません。しかも、第1審での判決に不服があれば、上級の裁判所に控訴できますので、控訴するとさらに時間がかかります。


従って、すべての紛争を裁判で解決しようとすると、時間も労力もかかりすぎるので、裁判外で紛争を解決する手続きが用意されています。これが、ADRというものです。

 

ADRでは、裁判のようにきっちりの証拠調べや証人尋問をしません。従って、お互いの言い分が違う場合でも、どちらの言っていることが正しいのか、きっちりとした事実の確定はしません。

 

その代り、当事者が話し合って、お互い妥協できる点を見つけて、話し合いによる解決を目指します。このようにして、裁判にかかる時間や労力を省いて、早期の解決を目指します。


ただし、裁判のように法的強制力がないので、お互いが納得しなければ、紛争の解決ができません。ADRには、以下に説明するような金融ADRのほか、交通事故紛争処理センターや民事調停などがあります。

 

(2)金融ADRとは?


金融ADRとは、銀行や証券会社など金融機関とのトラブルを抱えた方からの申し立てを受けて、金融機関と申立人双方の言い分を聞いたうえで、公平な立場から、紛争を解決するための適切なあっせんをする機関です。

 

為替デリバティブの紛争についてのADRは、一般社団法人全国銀行協会(全銀協)と、特定非営利活動法人証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC,フィンマック)があります。

 

(3)全銀協とFINMACのちがい。


全銀協は、銀行が会員の組織で、銀行業界のための公的な活動を行っています。

 

FINMACは、もとは日本証券業協会という証券会社の会員組織の中にあったあっせん機関が独立したものです。いずれも、公的な機関で、社会的信用力はあります。また、あっせんの委員は、弁護士など中立的な立場の人間がなりますので、公平な解決が望めます。

 

全銀協は、件数が多く手続きに慣れており、スピーディな解決が望めますが、案件が多いせいか、画一的で結論を急いで出し過ぎる側面があります。FINMACは、件数は全銀協より少ないですが、より丁寧に対応してくれます。

 

以上のように、全銀協とFINMACには、それぞれ特徴がありますので、どちらに申し立てたほうが有利な解決ができるかは一概には言えません。

 

(4)あっせん手続きの流れ


   ①申立人からあっせん申立て書と証拠資料を出す
        ↓
   ②銀行から答弁書と証拠資料が出される
        ↓
   ③あっせん委員による事情聴取
        ↓
   ④あっせん委員からあっせん案の提示
        ↓
   ⑤双方があっせん案を受諾すれば和解成立
     一方でもあっせん案を拒否すれば和解不成立

 

(5)金融ADRの利点と難点

 利点

① 簡易・迅速な手続き

 

金融ADRは、何と言っても解決までのプロセスが、簡易で時間がかからないことです。

 

全銀協は1回、FINMACでも数回の期日であっせん委員からあっせん案が提示されます。申し立てから解決まで数か月で済みます。訴訟にすると、期日は何回もあり、また、解決まで2,3年かかることもあります。

 

 難点


① 手続きが簡易、迅速なため、訴訟に比べると、おおざっぱな感じで結論を出します。

 

② 客観的にはっきりしている事実(例えば、為替デリバティブを買った企業の方に為替リスクはあったのかどうかなど)を重視してあっせん案を提示します。

 

例えば、担当者が、為替デリバティブの危険性を説明したかどうかといったことは、水掛け論であり、客観的にはっきりわからないので、このようなことに時間をかけてあっせん案を出すということはあまりしません。

 

③ ADRは、紛争の当事者が、お互いに譲り合ってトラブルを解決するという手続きなので、被害者に極端に有利なあっせん案が提示されるということはあまりありません。

 

企業が既に支払ったお金を銀行が返すというあっせん案が提示されることはあまりなく、未払い金と解約金の何割かを企業が、何割かを銀行が負担するというあっせん案が多いようです。

 

ただし、民事訴訟のほうが企業側に有利な結論になるかというと、必ずしもそうとは言い切れません。ADRと民事訴訟で、どちらが企業に有利な結論になるかは、一概には言えないのです。


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