受任時には自営の収入だけで、弁済が困難だったので、年金受給開始年齢になるのを待って、申立をし、認可決定を得られた事例

依頼者プロフィール

・ 年代 50歳代
・ 性別 男性
・ 家族構成 未婚
・ 職業 自営業
・ 負債総額  約2210万円
・ 債権者数  14
 

再生計画案の内容

① 支払総額 300万円
② 免除率 約86%
③ 再生計画案に基づく支払い年数 5年
④ 再生計画案に基づく月当たりの支払額 約4万9000円
⑤ 住宅ローン特別条項の有無:なし
 

コメント

・ 小規模個人再生・給与所得者個人再生の別 小規模個人再生
・ 個人再生委員選任の有無  あり
・ 個人再生を選んだ理由 
  個人事業を続けたかったため。
 

相談時の状況、相談のきっかけ

保険適用外の医療費が高額で、借り入れが膨らんだ。
 

朝雲法律事務所を選んだ理由

場所・アクセスの良さ。
破産・倒産に詳しそうだったから
 

解決までの手順

① 受任後直ちに受任通知を債権者に発送し、請求が止まり、通常の生活のサイクルが取り戻せた。
② A社から借りている住宅ローン支払い中の住宅を持っていたが、住宅は他人に貸しており、そこに住む予定もなく、住宅を維持するつもりもなかった。そこで、住宅を売却して、住宅ローンの額を確定させることにした。
③ ところが、住宅には、B社という別の住宅ローン会社の第二抵当権がついており、これを抹消しないと売却ができない状況だった。そこで、この抵当権を抹消するための裁判を起こした。調査したところ、このB社はすでに破産をして、破産事件も終結していた。そこで民事訴訟法に定める特別代理人を選任してもらい、特別代理人がB社の代理人となったので裁判を起こすことができ、勝訴判決を得て、無事抵当権を抹消した。
その後、任意売却し、A社の債権額を確定した。
④ ご依頼を受けた当初は、ご依頼者の年金受給開始がしばらく先で、年金を原資とした弁済ができないので、ご依頼者の経営する店舗の収益が上がるのを待ってから申立することにした。店舗の収益はずっと黒字だったものの、再生債権の弁済ができるほどまでには上がらなかった。特にこの案件は支払総額が約300万円と大きかったので、弁済できるには相当の収入が必要であった。結果的に、申立から2年ほど経過し、ご依頼者の年金受給開始時期が来て年金と店舗の収益を合わせれば、履行が可能である状況になったので、申立をした。
⑤ 申立後再生委員がついて、申立から約2か月後に開始決定相当の意見書が出た後、開始決定がでた。
⑥ 開始決定後、約2か月後に中間報告書(試験的積立=支払い予測額を口座に積み立てることの報告書)と再生計画案を提出した。
⑦ その後、約2か月で最終報告書(中間報告書提出後の試験的積立が問題なくできていることの報告書)を提出した。
⑧ 最終報告書提出後ほどなく認可決定がでた。
⑨ 認可決定後約1ヶ月で認可決定が確定し、その翌月から支払い開始した。
 

弁護士が見た事案解決のポイント

① 個人再生をするには、債権額が確定していないと、支払額が決まらない。この案件は、住宅ローンがあり、住宅は維持しないので、住宅を手放して、住宅ローンについても他の再生債権と同様に減額して支払うことになった。しかし、抵当に入っている住宅を売却して売却金を住宅ローンの返済に充てないと住宅ローンの金額が確定しない。そこで、弁護士の知り合いの不動産売買仲介業者に依頼して、不動産を売却し、住宅ローンの債権額を確定した。この際、住宅を不当に安く売ると、個人再生がうまく行かなくなるが、弁護士の知り合いの別の不動産業者に査定を依頼し、いわゆる相見積もりをとったうえで、任意売却して、不当に安く売ったという非難を後で受けないようにした。
② 上記の通り売却した住宅には、当初、B社という別のローン会社の第2抵当権がついていた。この抵当権がついていたままでは当然住宅の売却ができない。しかし、B社はすでに破産しており、B社から抵当権抹消のための書類をもらうことができなかった。そこで、裁判を起こすことにしたが、B社はすでに破産しており、裁判を起こす相手方がいない状況だった。そこで、特別代理人を選任してもらい、特別代理人相手に抵当権設定登記の抹消登記手続きの裁判を起こし、勝訴判決を得、無事第二抵当権の抹消登記ができた。
③ 本件は、市税の滞納があり、住宅に市の差押えの登記が入っていた。この差押登記が外れないと売却ができない。売買代金は本来住宅ローン会社がすべて取得する権利を持つが、住宅ローン会社を説得して、売却代金から市税を支払うことにより差押登記を外すことに成功した。それで、無事住宅が売却できた。
④ 個人再生をするときに、税金、社会保険料の滞納があると、その支払いにお金をとられて、再生債権の弁済ができないので、裁判所から許可がもらえなくなる恐れがある。上記の通り本件では、市税に滞納があったが、上記の通り住宅ローン会社を説得して、不動産売却代金の一部を市税の滞納分の支払いに充てるようにしてもらったので、この時点で、市税の滞納がなくなり、個人再生がうまく行った。
⑤ 本件は、ご依頼者の経営する店舗の収益が思うように増えず、再生債権の支払総額が300万円近くと多かったこともあり、店舗の収益だけでは支払いが厳しい状況が続いた。弁護士がご依頼を受けた時点では、年金受給開始まで2年もあり、そこまで待つのは困難であったが、債権者の皆様にもご理解いただき、年金受給開始を待って申し立てをし、店舗の売り上げと年金を合わせれば、再生債権の弁済ができる状況になり、無事、裁判所から認可決定をもらえた。
 

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