【弁護士の債務整理コラム】別口預金の公共工事前払い金の扱い

建設業者の方の中には、公共事業を多くやっていらっしゃる方がいます。

公共工事の場合、費用の前払い金をもらえる点が、資金繰りに助かります。
ところが、前払い金をもらったままで、工事が未了のまま破産すると当然返さないといけなくなり、これも破産債権になります。

前払い金の返還債務は保証会社が保証しており破産債権者として挙げないといけません。
公共工事の前払い金保証事業に関する法律という法律に基づき行われています。
前払い金は、別口預金口座、という特殊な口座に入れられ、保証会社の許可ないと下ろせない仕組みになっています。
このようなスキームは保証約款に基づいて行われています。
最高裁平成14年1月17日判決は、別口預金に入れられた預金は、保証会社がもらえるか、管財人がとって配当できるかの論点において、別口預金は、信託財産であり、信託財産は破産財団に入らず(倒産隔離効)管財人は取れないと判示しています。
よって、別口預金がまだ下ろせない段階で、破産をした場合、別口預金は、保証会社が持って行ってしまいます。