仕入価格の上昇を販売価格に転嫁できず破産した商品卸業の事例

依頼者プロフィール

業種
商品の販売、卸し
従業員数
2名
年商
2億円
社歴
約9年
債権者数
43社
負債総額
約9800万円

相談時の状況、相談のきっかけ

個人事業として食品販売を始めたが、業務拡張に伴い家族を従業員として雇い、法人化した。法人化直後に仕入価格が上がったが、それを顧客への販売価格に転嫁できず、赤字経営となった。

そこで、金融機関に借り入れを行い、赤字の補てん、買掛金の支払いに充てていた。

それでも資金は不足し、個人の資産を取り崩して会社の資金に充て、個人(代表者及び従業員である妻と子)のクレジットカードで商品を仕入れるなどした。また、仕入価格より安く販売し、支払資金を作るなどした。

資金繰りをして、何とか滞納がないようにし、この間に経営を改善しようと努力したが、なかなか経営が改善しなかった。

そして、資金が不足する事態となり、これ以上続けても資金不足が続き、赤字が膨らむだけだと判断し、やむを得ず破産を決意した。

朝雲法律事務所を選んだ理由

知人からの紹介

解決までの手順

(1) 平成▲年 10月 受任

 

  (2)    受任~申立 

 

    受任後、商品の盗難などの混乱があったが、しばらくすると、混乱も落ち着いてきた。

 

(3) 平成■年 1月 申立(会社及び会社の債務保証をしていた代表者)

 

(4) 同年 2月 裁判所で、管財人候補者、代表者、申立弁護士の三者協議

 

   その後速やかに破産手続開始決定がされた。

 

(5) 平成■年 5月 第1回債権者集会

 

(6) 平成■年 8月 第2回債権者集会

 

(7) 平成■年 11月 第3回債権者集会

 

(8) 平成■年 11月 破産終結決定

 

 (9) まとめ

受任から解決まで、1年ほどかかりましたが、債権者数、債務額が一定程度あり、また処分が必要な財産(個人及び法人)があったことを考えると、解決までかかった時間は、他の事件と比べても、速やかだったと思います。

弁護士が見た事案解決のポイント

① 受任通知発送後、商品の盗難(少額)があったため、速やかに警察に被害届を出した。

② 申立直前の代表者個人の預金の使途が問題とされたが、すべて、会社の仕入れの支払であることを証明できた。

③ 受任と同じ年に、代表者が相続財産を売却していたが、価格は正当なもの(市場価格より低額ではないこと)であり、使途も会社の仕入れ、営業資金であることが証明でき、問題とならなかった。

④ 従業員(家族)、代表者個人も一緒に破産を申し立て、免責をいただき、再就職先も見つかり、生活の再建を図ることができた。

⑤ 商品在庫については、同業者の協力があり、速やかな換価処分ができた。

⑥ 法人、個人に一定程度の財産があったが、裁判所、管財人に明細(商品在庫や保険契約など)を正確に報告した。

依頼者の声

依頼者の声

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会社及び個人の負債が多くなり、倒産、個人破産の相談

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非常に良かった

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家族3名に対する対応が良く、スムーズな感じを受けました。