自己破産したらスマホは使い続けられるのか? 福岡の弁護士が解説
「自己破産をすると、スマホが使えなくなるのでは?」
「携帯電話を分割払いにしているけれど、大丈夫?」
自己破産を検討している方の中には、このような不安を抱えている方も多いでしょう。
結論から言うと、通話料の滞納がなければ、自己破産をしても携帯電話の通信契約は継続できるケースがほとんどです。
また、通話料の滞納があっても、滞納しているキャリア以外での通信契約ができる可能性があります。
もっとも、スマホ端末を分割払いで購入している場合には、購入方法によって扱いが異なります。
以下、自己破産をした場合の携帯電話・スマホの扱いについて、ケース別にわかりやすく解説します。
《1.通話料の滞納がない場合》
1_1. 通信・通話の契約は継続できる?
1_2. スマホ端末はどうなる?
《2.通話料を滞納している場合》
2_1. 通信・通話契約はどうなる?
2_2. 端末はどうなる?
通話料の滞納がない場合
1_1. 通信・通話の契約は継続できる?
携帯電話料金(通信料・通話料)の滞納がない場合、通常は携帯キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなど)から通信契約を解除されることはありません。
そのため、自己破産をしても「電話番号」「通話機能」「インターネット通信」は、原則そのまま利用できます。
1_2. スマホ端末はどうなる?
問題となるのは、スマホ端末を「分割払い」で購入しているケースです。
スマホの分割払いはローン契約にあたるため、自己破産では原則として債務整理の対象に含めなければなりません。
そして、端末を使い続けることができるか?は「どこで」「どのように」購入したか?によって、扱いが変わります。
1_2_1. 携帯キャリアで端末を分割購入した場合
たとえば、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなどのキャリアの携帯ショップや公式オンラインショップで端末を分割購入した場合です。
この場合、スマホ端末代のローン債権者は携帯キャリアになります。
自己破産をすると、端末代の残債についても支払い義務の免除対象となるため、理論上は、キャリアから端末の返却を求められる可能性があります。
もっとも、実務上は、キャリアで分割購入したスマホについて、自己破産を理由に返却を求められるケースはほとんど見られません。
そのため、現在の運用では、
・通信契約を継続できる
・端末もそのまま利用できる
ケースが多いといえるでしょう。
1_2_2. キャリア以外のローン会社で端末を購入した場合
一方で、家電量販店やスマホ販売店などで、キャリアではなく、別のローン会社を利用して端末を購入しているケースがあります。
この場合、ローン会社側が携帯端末の所有権を留保していることが多く、自己破産をすると、ローン会社から端末の返却を求められる可能性があります。
そのため、このケースでは、以下のやり方などで、携帯端末を交換する必要があります。
・以前使用していたスマホを使う
・中古スマホを購入する
・現金一括で別端末を用意する
スマホ交換後、現在使用中の端末をローン会社へ返却することになります。
なお、通信料・通話料に滞納がなければ、キャリアとの通信契約自体は継続できるのが通常です。
1_2_3. 端末代を完済している場合
以下のようなケースでは、特に問題はありません。
・端末代を一括払いで購入した
・分割払いをすでに完済している
この場合、自己破産をしても「通信契約」「スマホ端末の利用」のいずれも継続できます。
通話料を滞納している場合
2_1. 通信・通話契約はどうなる?
携帯電話料金を滞納している場合、すでに回線停止になっているか、今後停止される可能性があります。
さらに問題となるのが、他社キャリアとの新規契約です。
携帯電話会社は、TCA(電気通信事業者協会)で、料金滞納などの情報を共有しています。
そのため、あるキャリアで料金滞納があると、別のキャリアで契約を申し込んでも、審査に通らない可能性があります。
【自己破産をすると滞納情報はどうなる?】
自己破産をする場合、未払いの通信料・通話料も自己破産の対象に含めます。
その結果、免責が認められれば、滞納していた通信料金の支払い義務は免除されます。
そして、通信料金の滞納が解消されることで、TCA上の滞納情報も削除されるとされています。
また、TCAでは「通信料金の滞納情報」は共有されますが、「自己破産した事実」自体は共有されません。
そのため、以下のような可能性が考えられます
・滞納していた元のキャリアでは審査が厳しくなる可能性がある
・他社キャリアでは契約できる可能性がある
もっとも、実際の審査基準は各キャリアの運用によるため、必ず契約できるとは限りません。
2_2. 端末はどうなる?
端末の扱いについては、基本的に「通話料滞納がない場合」と同じです。
キャリアで分割購入した端末
→ 実務上は返却を求められず、そのまま使えるケースが多い
キャリア以外のローン会社で購入した端末
→ ローン支払い中であれば、返却を求められる可能性が高い
まとめ
自己破産をしても、携帯電話が必ず使えなくなるわけではありません。
もっとも、スマホ端末をどこで購入したかによって扱いが変わるため、注意が必要です。
| ケース | 通信契約 | 携帯端末 (スマートフォン) |
|---|---|---|
| 通話料滞納なし・スマホはキャリアで分割購入 | 継続可能 | 利用継続できるケースが多い |
| 通話料滞納なし・スマホは一般のローン会社による購入 | 継続可能 | 返却が必要 |
| 通話料滞納なし・端末代完済済み | 継続可能 | 利用継続できる |
| 通話料滞納あり | 当該キャリアの回線停止 ※他のキャリアでは契約可能なことが多い |
購入方法による |
※本記事は作成時点の運用に基づくものであり、今後、TCAや各携帯電話会社の運用方針が変更される可能性があります。また、実際の取扱いは、契約内容や各社の運用によって異なる場合があります。