福岡地方裁判所の本庁に破産・個人再生を申し立てる際に必要な配偶者の資料

「自分が自己破産したら、夫や妻に何か協力してもらうことはないのか? 夫や妻の資料で必要なものはあるのか?」と思われる方は少なくありません。
「破産や個人再生で、どのようなものを提出しないといけないか」は、各裁判所でそれほど大きな差はないと思いますが、全く同じではありません。

ここでは、福岡地方裁判所の本庁(福岡市中央区六本松)に破産、個人再生を申し立てる場合の解説をいたします。
破産と個人再生で、若干違うので、区別して説明します。

1. 家計表
 1-1. 家計表とは?
 1-2. 破産の場合
 1-3. 個人再生の場合

2. 収入に関する書類
 2-1. 破産の場合
 2-2. 個人再生の場合

3. 不動産に関する書類
 3-1. 不動産を所有しない場合
  3_1_1. 破産の場合
  3_1_2. 個人再生の場合
 3-2. 住宅をお持ちの場合
  3_2_1. 破産の場合
  3_2_2. 個人再生の場合

4. 車に関する書類
 4-1. 破産の場合
 4-2. 個人再生の場合

5. 配偶者(夫または妻)の借金に関する情報
 5-1. 破産の場合
 5-2. 個人再生の場合

6. 通常は出さなくてよい配偶者(夫または妻)関係の書類
 6-1. 破産の場合
 6-2. 個人再生の場合

1. 家計表

1_1. 家計表とは?

福岡地方裁判所の本庁(福岡市中央区六本松)では、破産、個人再生いずれも、申立前2か月分の家計表を提出しなければなりません。
家計表とは、1か月の家庭の収入と支出の内容を書くものです。
左が収入欄で、前月からの繰越額や夫婦の給与額を記載し、右が支出欄で、その月にかかった家賃、食費、水道光熱費などを書きます。

家計表は、破産や個人再生される方一人の収入・支出を書くのではなく、家族全体の収入・支出を書きます。
したがって、破産、個人再生される方の配偶者(夫または妻)の収入がわからなければいけませんし、配偶者(夫または妻)の支出の内容も分からなければいけません。
したがって、通常は、配偶者(夫または妻)の協力を得て、家計表を作成します。

しかし、中には、配偶者(夫または妻)に破産、個人再生をしていることを知られたくない方もいらっしゃいます。
この場合は、家計表が若干不正確になるのは否めませんが、配偶者(夫または妻)から、およその支出内容を聞いて書くしかありません。

1_2. 破産の場合

通常は、申立前2か月分のみの家計表を提出でかまいません。
ただし、申立後、裁判所や管財人の指示で出さないといけないケースもあります。

1_3. 個人再生の場合

申立前2か月だけの家計表でなく、申立後、裁判所の認可決定が出るまで毎月、家計表を出さないといけません。

2. 収入に関する書類

破産、個人再生では、配偶者(夫または妻)の収入に関する資料が必要です。
ただし、具体的に何が必要か?という点では、破産と個人再生で若干の違いがあるので、福岡地方裁判所の本庁(福岡市中央区六本松)の基準を見てみましょう。

2_1. 破産の場合

・配偶者(夫または妻)の給与明細書1か月分
・配偶者(夫または妻)の所得証明書(市役所、区役所等でとるもの)直近1年分

2_2. 個人再生の場合

・配偶者(夫または妻)の給与明細書3か月分
 通常は、申し立てた後も認可決定が出るまで、毎月の分の給与明細書が必要とされることが多いです。

・配偶者(夫または妻)の所得証明書(市役所、区役所等でとるもの)
 個人再生の場合、破産と違い、通常は不要です。

3. 不動産に関する書類

3_1. 不動産を所有しない場合

3_1_1. 破産の場合

・賃貸借契約書
 これは配偶者(夫または妻)が借主の場合でも出さないといけません。

・無資産証明書
 配偶者(夫または妻)の無資産証明書(居住している市区町村内に不動産を所有していないという証明書)を役所の固定資産税課でとらないといけません。
 しかし、いくら配偶者とはいえ、自分以外の者の無資産証明書は、その人から委任状をもらわない限り発行してもらえません。そのため、配偶者(夫または妻)に破産、個人再生をすることを知られたくない場合は取得に苦労するかもしれません。


3_1_2. 個人再生の場合

・賃貸借契約書
 これは配偶者(夫または妻)が借主の場合でも出さないといけません。

・無資産証明書
 破産と違い、通常は配偶者(夫または妻)の無資産証明書は不要です。

3_2. 住宅をお持ちの場合

3_2_1. 破産の場合

・住宅の登記簿謄本
 これは配偶者(夫または妻)が所有者の場合でも出さないといけません。
 ただし、不動産の登記簿謄本は、法務局で誰でも自由に取得することができるので、配偶者(夫または妻)に破産、個人再生をすることを知られたくない場合でも、取得が困難ということはないと思います。


3_2_2. 個人再生の場合

・通常は、不動産に関して、配偶者(夫または妻)に関する書類が必要ということはありません。

4. 車に関する書類

4_1. 破産の場合

・車検証
 配偶者(夫または妻)が所有の場合でも、必要です。

4_2. 個人再生の場合

・車検証
 配偶者(夫または妻)が所有の場合でも、必要です。

5. 配偶者(夫または妻)の借金に関する情報

5_1. 破産の場合

・配偶者(夫または妻)にも借金がある場合、債権者名、残債務額、毎月の支払い額等を説明しないといけない場合があります。
 できたら、情報は正確なほうがいいので、配偶者(夫または妻)から、借金に関する資料をもらったほうがいいでしょう。
 配偶者(夫または妻)に破産をすることを知られたくない場合も、資料は難しいかもしれませんが、おおよその内容は聞いたほうがいいでしょう。

5_2. 個人再生の場合

・破産の場合と同様、配偶者(夫または妻)にも借金がある場合、債権者名、残債務額、毎月の支払い額等を説明しないといけない場合があります。
 個人再生の場合、「再生計画案通りに支払っていけるか?」が審査のポイントなので、配偶者(夫または妻)にも借金がある場合、それがどれほど家計の支出に影響が出るかを勘案しないといけません。そのため、破産の場合より、こういった情報は、より正確である必要があり、必要性も高いです。

6. 通常は出さなくてよい配偶者(夫または妻)関係の書類

6_1. 破産の場合

・通帳
 配偶者(夫または妻)の通帳は通常出す必要はありません。
 ただし、福岡地方裁判所の本庁(福岡市中央区六本松)では、水道光熱費の金額の根拠となる資料を家計表に添付しないといけません。そのため、配偶者(夫または妻)名義の預貯金口座から水道光熱費が落ちている場合は、配偶者(夫または妻)名義の預貯金口座通帳の該当ページのみのコピーを添付するケースがあります。

・保険
 配偶者(夫または妻)が契約者の生命保険の場合、通常は保険証券や解約返戻金証明書を出す必要がありません。
 ただし、契約者が配偶者(夫または妻)であっても、保険料が破産される方の口座から落ちている場合、実質破産される方の財産とみられることもあります。その場合は、保険証券や解約返戻金証明書を出すように言われるケースがあります。

6_2. 個人再生の場合

破産の場合とおおむね同じで、配偶者(夫または妻)名義の通帳や保険の資料は、通常は出さなくてもかまいません。
ただし、水道光熱費の金額の資料として通帳を出したり、保険料が個人再生される方の口座から落ちている場合に保険証券、解約返戻金証明書を出さないといけないケースかあります。

以上の通り、破産、個人再生、いずれも、家計表の作成や資料の提出の場面で、ある程度配偶者(夫または妻)の協力が必要になってくる場面があります。
したがって、配偶者(夫または妻)に破産、個人再生をすることを知られたくない場合は、申し立ての準備が進めにくい場合があります。

福岡地方裁判所の本庁に破産・個人再生を申し立てる際に必要な配偶者の資料

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